「エスパニョールの衝撃」RCD Espanyol, Spain

かつて中村俊輔選手が所属していたことで知られるエスパニョール。同じ街にあるFCバルセロナに比べると、トップチームの成績は優れたものではありません。しかし、育成になると話は変わります。

今季、バルセロナ18歳以下(フベニールA)で行われるリーグ戦において優勝を飾ったのは、育成の代名詞FCバルセロナではなく、このエスパニョールでした。他を寄せ付けない圧倒的な強さで頂点に立ったと言います。

私はそのチームを実際に見て、これまでにない衝撃を受けました。


能力の高い選手・コーチ

何が衝撃だったのか。それは、選手達の能力の高さです。これまで様々な育成チームを見てきましたが、それとは比べものにならないほどの能力の高さでした。

行っていたトレーニングも、言葉がわからない僕にも意図が見えるほど質の高いものでした。フィジカルしかり、基礎技術しかり、トレーニングに対する集中度しかり、どれを取っても質の高い選手達。見ていて惚れ惚れするトレーニングでした。とにかく、止めて蹴る技術が全員高い。ビルドアップのトレーニングを素早いパススピードでミスなく、当たり前のようにこなします。

最後まで18歳以下(フベニールA)だとは信じがたかったのですが、確かにそうみたいでした。顔つきや体格はもうすでに大人。今すぐにでもプロで活躍できるようなレベルの選手が多くいました。

指導者も、言葉がわからないので多言は避けなければなりませんが、トレーニングを止めるタイミングや、表現力、そして選手達の話を聞く表情を見れば、良いコーチであるということがわかります。バルセロナという地で頂点を獲るようなチームの指導者が、悪い指導者のはずがありせんが…


チェルシーFCユースとの比較

先日、UEFAユースリーグ、FAカップで優勝を飾ったチェルシーFCユース。同大会を2連覇している彼らは、過去最強と言われています。僕は彼らの試合も観戦したのですが、ここまでの衝撃は受けませんでした。

確かに日本の高校生とは比べものにならない完成度ではありましたが、それは主に雰囲気やフィジカルな部分です。技術的に衝撃を受けるようなことはありませんでした。試合と練習との違いもあるかと思いますが、どちらにせよ高校生とは思えない実力です…

この2チームが対戦をしたら、どのような試合展開になるのか非常に興味深いです。


スクール

スクールも見ることができました。一つのグランドで非常に多くの子供達がサッカーをしており、このチームの人気度が伺えます。

練習内容はというと「ただサッカーを楽しむ」といった雰囲気ではなく、むしろ僕がメインで見ていたチームは楽しもうという気は一切0(笑)女性のスパルタコーチが、真剣に指導をしていました。比較的どのカテゴリーも、シュート練習を多くしていたことも、特筆すべきことかもしれません。

ここのグランドでには2つのフルピッチに、2つの小さなピッチがありましたが、プロの選手達もここで練習をしているので、身近にプロを感じることができる良い環境だと思いました。


エスパニョールを観て

日本とのレベルの違いを見せつけられました。これまでは、選手に関してはあまり違いはない(劣ってはいるけれど)くらいに思っていましたが、エスパニョールを観てそれが間違いだということに気がつきました。はっきり言って、日本人とは全然違います。

より多くの日本人が実際にトップレベルのサッカーを観て「危機感を覚える」ということは、非常に大切なことだと思います。それがなければ、日本が世界に追いつくことは絶対にない。誰かの情報やインターネットの情報では、日本がどれだけ世界に離されているのかは、一生わかりません。

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