ライオン

ずっと見たかった映画だった。なぜか頭に残っていた映画。


『LION』


今日、やっと見ることが出来た。見ている間は、今自分がどこにいるのかわからなくなるほど、パソコンで見たのにも関わらず、久しぶりに世界に入り込むことが出来たいように思う。


突然、目の前から家族がいなくなる悲しみは、どれほどのものなのだろうか。道で寝ている子供達は、何を思って生きているのだろうか。何も思っていないのだろうか。僕らみたいに、幸せとはなんだとか、好きなことはなんだとか、そういうことは思わないのだろうか。

僕にはわからない。これからもわからない。


でも、想像して、自分の幸せすぎる人生を感じることも出来るし、少しでも、いつか世界のどこかにいる幸せの意味すらわからない子供達に、何か、出来たら良いなと、そう思う。しなければならない。それが、動物にはできない、僕ら人間が持っている力だと思う。僕らは、遠い世界にいる他人を、助けてあげることが出来る。


僕は数日、自分が置かれている環境を直視して、怒りだか、悲しみだか、憎しみだか、そういう感情を抑えられずにいた。自分の幸せを知ることなく、目の前にある面倒なことだけを見て、こんな暮らしはもうできないと、そう考えてしまう。少しのことで腹がたつのは、自分に原因があるとはわかっていても、最近の自分は、そんな感じだったと思う。


映画を見たから何かが変わる訳ではないけれど、良い作品と出会えたことで、少し気持ちが楽になった。人間のことを、僕はまだ全然知らない。自分のことも、他人のことも。今外国で暮らしていることを、いつか誇りに思う日がくると思う。


少しの辛さや鬱々しさは、お前の中で育っていく。世界を見れば、そんなものは、幸せのうちの1つだということがわかるだろう。


いつか誰かに幸せを分けてあげられるように、まずはお前が幸せを感じるんだ。

すでに持っているよ。



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