メキシコ人は突然に
途方にくれていた。
あっているかどうかもわからない住所を頼りにたどり着いた場所には、それらしきものが一つも見当たらなかった。
これから住む予定の寮を探していた時だ。「14時には居るから」と事前に告げられていたものの時刻は15時を回っていて、かれこれ1時間探し回っても全然場所がわからない。
近くのそれらしき建物をすべて聞いて回っても、アルゼンチンのババア(大変失礼)はものすごく適当なことばかり言ってくるし、荷物も大きいし、寮も見当たらないし、第一スペイン語話せないし…と途方にくれていた時だ。
「荷物大きいね」と小柄な女の子が話しかけてきた。
メキシコ人だと話すその子は、典型的なラテン系で、小さくて、エネルギッシュで、気さくな子だった。僕がスペイン語を話せないのを察して、たまーに英語で話してくる。「迷ってるんだ」と告げると、一緒に行こうと言ってくれた。その子は、道を大幅に間違えた。
「これ多分道違うなあ」と思いながらも、その子が得意げに歩くのを止めることはできなかった。彼女は日本人を相当珍しがってくれて、「見て!日本人が道に迷ってたの!」みたいなことを言いながらインスタのストーリーを上げまくっている。
道の途中、一人の女の子に出会った。その子はメキシコ人の友達だった。
(ここでメンバー+1)
友達に指摘されてようやく道を間違えていることを知った彼女は、絵に描いたような「あちゃー」のリアクションをして僕の方を叩いてきた。なぜだろうか、全くムカつかない。
地図的にはあってるはずなんだけど、どれがそれかは全然わからなくて、そのあとも3人でどうしようか会議が続いた。すると彼女は、学生がたくさんいる建物の中に入って行って、一人の女の子を連れてきた。
(ここでメンバー+2)
出てきた女子は日系3世だった。「ちょっと待って日本人?!ミラクル!キャハ!」みたいなことを言いながら、絶賛インスタのストーリーで感動をフォローワーに分け与えている。自己紹介をしている様子からして、どうやら適当に人を連れてきたらしい。
幸いなことにその日系3世の女の子はなんとなく日本語が話せて、一緒に探してくれることになった。
住所はどう考えてもあっているけど、どれがどれだかわからない状況が続いて、僕はもしかしたら詐欺にあっているのかもしれないと思い始めた頃、前から男子3人組が歩いてきて、どうしたの?的な感じで近づいてきた。どうやら日系人の友達のようだ。
(ここでメンバー+3)
その男の子が電話してみたら?という超あたり前で適切なアドバイスをしてくれて、その後この問題は解決することになる。
どうやら目の前にあった白い建物がそれで、地元の人でもわかりづらい建物であったと同時に、14時にはいるよと行っていたスタッフは15:30過ぎまでいなかったのだ。
わかるわけない。
その後スタッフがちょうど現れ、晴れて、入寮となった。
メキシコ人の女の子のおかげで、6人ものそうそうたるメンバーが僕の寮を探す事に協力してくれた。最後は大きなハグをして、メキシコ人との奇跡の物語は終わりを告げた。
寂しいけど、またどこかで。
ものすごく、ありがとう。
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2018.03.07 12:32
2018.03.07 04:16