子供よ、もっと騒げ。

アルゼンチンは、2週間ほどのバケーションに入った。


国全体が同じ期間に「冬休み」に入るから、日本とは少し違う雰囲気がある。

僕にとっては、こっちで迎える初めての中期休暇だ。


街全体が機能停止する…と思っていたけど、意外に都心から離れた僕の田舎町も、中心街はいつも以上に賑わっている。


昔はもっと町から人が消えたという。この不景気の影響(今アルゼンチンはとんでもない不景気)で、旅行にいける家族が減っているのかもしれない。


僕はというと、学校がない=クソ暇だ。

ペンションのアミーゴたちはバケーションが始まった途端に(中にはフライングで)故郷に帰ったり、旅行に行ったりで、ほぼ誰もいない。異国は寂しい。


そんな時間を有効に使おうと、授業の復習をしたり、考え事をしたり、普段できないことをしている。日本だったら迷わず行っていたカフェにこれまで手を出せずにいたけど、これを機にお気に入りのカフェを探すことにした。


心のスイッチを切り替えるためにも、家の外で何かをするというの行為が必要で(少なくとも僕には)、勉強も何もかも、基本的には家よりもカフェや図書館の方が集中できる。そこにかかる数百円のお金を節約するよりも、何かに集中して取り組んだ方が、より得るものは大きい。


というのを理由に、好きなコーヒーと、好きなカフェを探すのだ。
アルゼンチンはカフェ大国。いたるところにカフェがある。


時間帯によって雰囲気が変わる。昼は静かで、夜はうるさい(日本の3倍)。

僕がこれまで行ったカフェはどこもそうだった。


それがアルゼンチンだから、全く気にならない。不思議だ。日本だったら、静かなカフェで子供が騒いでいて、親が注意する素振りを見せなかったら少し不愉快だけど、ここではあまり気にならない。アルゼンチンでは子供が騒ぐのは当たり前だから。おしゃべりを楽しむのは当たり前だから。


誰も何も言わないし、嫌な顔もしない。

良いか悪いかは別として、子供とおしゃべり好きには、この国は楽園である。


今日も集中して作業に取り組めた。

注文したカフェオレが20分こなくても、全然問題ない。それがアルゼンチンだから。


さっきまで静かだったカフェ、今は動物園。

子供よ、もっと騒げ。俺は帰るぞ。



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