半年間

あと数日で、アルゼンチンに来て半年間が過ぎようとしている。

びっくりするくらいあっという間だった上に、今もなお、ものすごいスピードで1日が過ぎ去っていく。


思い出すこともできないほどに、いろんなことが起きて、一つ一つの出来事には奇跡の要素や、必然の要素がそれぞれ満遍なく詰まっている。生きていてよかったなと思ったこともあったし、なぜアルゼンチンに来てしまったんだろうと思うこともあった。


ただ、これは僕のいつものことで、死ぬほど前向きな自分の中に、2割くらい死ぬほどネガティブな自分が顔を出す。それは自分にとって必要なことだったりする。

いつも前向きな自分は、あまり好きじゃない。


今日、エジプト人の女の子と出会った。僕が授業を受けているスペイン語のクラスに新しく入ってきた彼女は、これから長くアルゼンチンに滞在して、お医者さんのなるための勉強をするみたいだ。僕と同じか、もしくはそれ以上にスペイン語が話せない彼女がアルゼンチンで医者になろうとしている姿には、何か勇気をもらった気がした。


人にはそれぞれの人生がある。


僕はそれに干渉する必要はないと思っていた。自分の人生にも干渉されたくないと、そう思っていた。でもアルゼンチンに来て、それが変わってしまったことにすごく驚いている。友達とか、家族とか、仕事仲間とか、道で出会った人とか、スーパーで後ろに並んでる人とか、あらゆる人と時間や思いを共有することで、人生がより豊かいなることに気づいてしまったのかもしれない。理由はわからないけど、アルゼンチンという地が、僕をそうさせたのだろうか。


他人は大事だ。

自分も大事。


これからの人生は、素直に友達や家族に頼り、干渉しまくろうかと思う。

アルゼンチン人みたいに、道で出会った人を頼ってもいい。




もうすぐ、アルゼンチンの冬が終わる。

日本にいた時から数えて、長い、長い冬だった。


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