全員強盗
全員、強盗に見える。
日本にいたらなかなか味わうことのないことだけど、初めての国に来た時には必ずそういう感覚に陥る。特に、初めて一人で行った外国であるフィリピンは、もうビクビクしてしばらく一人で歩くことができなかった。
今回のアルゼンチンでの初めての感想も同じだった。全員、強盗に見える。
ただ、もちろんそんなはずはなく、僕の荷物を盗もうと企んでいる奴に出会う確率はかなり少なくて、道行く人々のほとんどは僕に興味なんてこれっぽっちもない。
なぜそうなるのか。
僕はこれを考える時にいつも「全部同じだ」と思う。
僕は何かをする時に、できるだけ事前に情報を入れないようにしている。悲しいかな、何か新しい場所に行く時や、新しいことに挑戦をする時には、事前に情報を仕入れておいてできるだけ苦労しないようにしてしまうのが人間の性だ。年齢を重ねれば重ねるほど顕著になる。でも、それだと物事の本質と捉えれなくなってしまうと個人的には思っていて、例えば道を歩いている時に一輪の花があったとする。それを「コスモス」だと知っていたら、その人は考えることをやめて「コスモス」だとしか思わない。でももしそれを知らない人が「コスモス」を見たら、花びらの形がこうだなとか、色はこうだなとか、もしかしたら匂いがこうだなとか、色んなことを、「自分で」考える。
僕はすべてにおいてそれが大切だと思っている。
実際それがコスモスかどうかなんて、どうでもいい。
全員、強盗に見える。
というのは、日本人に植えつけられている「外国は危ないところ」という認識が、前情報として入ってしまっているからだ。
でも、本当のところは自分で行ってみないとわからないことであって、もしかしたら思ったほど危なくないのかもしれないし、本当に危ないのかもしれない。でも、最初から危ないところだと認識してしまっていたら、もしかしたら行くのをやめてしまうかもしれないし、本当に危ないところなのか危なくないところなのか、感じることができなくなってしまう。
最初の一歩は少しだけ勇気がいることだけど、それさえ乗り越えてしまえば新しい景色が待っている。それもすごく美しい。
外国で外を歩くのも、なにか新しいことに挑戦する時も、全部一緒だ。情報はないほうが、ずっといい。
アルゼンチンは、今日もゆっくり時間が過ぎていく。
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